2017年02月15日

何者 朝井リョウ

「部活やめるってよ」はずっと前に読んだ。普通の高校生たちが挫折しながらも自我を創り上げていく、瑞々しい言葉で書かれた、さわやか系の話。

本作は「何者 N@NIMONO」と映画化されて、最近観た映画が始まる前に予告編がずっと流されてて、さわやか系の話はいまさらもうどうでもいいけど、まあ読んでみるかくらいの気持ちだったけど、ここ最近読んだ本の中で一番痛かった。

話の中のどんでん返し、読み手としての気持ちの置き場所がひっくり返されるのが最高に痛かった。すごい。

こんな事を批評してる自分も実ははずかしい。

スクリーンショット 2017-02-15 00.20.20.png





posted by だいちゃん at 00:23| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

芥川賞受賞作 「しんせかい」 山下澄人 

文藝春秋の芥川賞発表号で読みました。

30年以上前の話。30年前の事は、自分にしても断片的にしか覚えていない。

30年の間に何度も夢にみて、ある感情が増幅され、潜在意識に刷り込まれ、思い込みが事実と自分の中で入れ替わってしまう事はよくあるだろう。もしかしたら、ぼくの思い出も「より強烈なインパクトがあったもの」だけに書き換えられてるかもしれない。

夢と、現実と、あったことと、想像してあったと思ってること、今夢の中で見てること、すべて同列で、心にうかんだ言葉のまま書き写したような。言文一致、ではなく「心文一致」(造語です)というべきか。

現実の思い出より、塾を出てから何度も見たのであろう当時を思い出す夢の方がリアルに描かれている。その言葉はこころに浮かんだすべての言葉を、文脈の意味の通り具合も、文法も、時制も、人称すら、どうでもよいみたいで、その開放感、心に浮かぶ思いのまま感が読みやすく、すとんと腹に落ちる。

作者は30年以上に倉本聰氏が北海道の山奥に開いた「富良野塾」の二期生。 当時、三十前のぼくは土庄中央公民館で富良野塾公演「谷は眠っていた」を観ている。

その舞台に作者の山下澄人氏が立ったのかどうかは、今は知るよしもない。

忘れかけてた、思い出したくない記憶を呼び起こされるような一冊。鈍い痛み。

512KAHAW1ML._SX317_BO1,204,203,200_.jpg
posted by だいちゃん at 00:34| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月12日

カールスバーグ クラブボトル 

カールスバーグビール、デンマークのラガータイプのビール。

サントリーが日本でライセンス生産しています。ヨーロッパのビール法は厳しくて、原料は水と麦芽とホップしか認められていません。それを忠実に守り最新技術で造るのだから、現地生産のよりサントリー生産の方がうまいと人気です。

IMG_0294.JPG

posted by だいちゃん at 13:28| 香川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

まひるの月を追いかけて 恩田陸

いわゆるロードムービーならぬ「ロード小説」、歌舞伎で言うところの「道行」。
読んだら奈良に行きたくなる。話の中で巡った寺や神社、公園などを「聖地巡礼」したくなる。

異母兄が奈良で消息を絶ち、たった二度しか会ったことのない兄の彼女と兄、研吾探す旅にでる「私」。

最初は旅情話だと思って気楽に読んで、修学旅行で行った奈良を思い出してたりしてたけど、話の中で二人も死んで(!)急にサスペンスっぽくなってきた。

「私」のキャラ設定というか、事なかれ主義で万事自分より人がどう感じるか、どう思うかを考えすぎてしまう心情描写が現実味がありすぎて、身につまされる。

最後のオチは、「んーーーー、そうなん??」的で、 「THE END」 より 「TO BE CONTINUED」やろ!といいたくなるほど、無責任な終わり方(笑)。

読み応えありました。おもしろかったです。おすすめします。

20150814182752.jpg


posted by だいちゃん at 01:47| 香川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月06日

「蜜蜂と遠雷」 恩田陸

読みました。本作が直木賞だとは知らずに、なんとなくKindleにオススメされて。

架空の国際ピアノコンクール。世界の若手ピアニストの登竜門とも言える大会に出てくるのは、全世界から神童、天才、そして想像を遥かに超えた音楽の神様からの「ギフト」。

審査員の世界の音楽界の大御所女史、優勝候補ナンバーワンの日系美形男子ピアニスト、幼くしてデビューしたものの母親の死で演奏活動から遠のいてた日本人少女ピアニスト、普通の人が「海抜ゼロ」から上をめざす会社員ピアニスト、全くだれも素性を知らない天然素材ピアノ坊や、などの多人称で語られる話。

話のおもしろさ、感動を別としても、驚くのが今時の音楽事情についての取材のすごさ。ひととおり読んだだけなのに、上っ面だけなら今の音楽事情を語れる気がする。

作品中に出てくる楽曲名はもちろん実在。Spotifyでいちいち検索して聴きながら読んだ。恩田さんはこの本を書くにあたってかなり聴きこみ勉強なさったと思う。ぼくはこれまでロックしか聴いて無くて、書いてることがあまりわからんかったけど、ただひとつ日系美形天才ピアニスト、マサルが本選で弾くプロコフィエフ3番が「銀河の彼方に消えていくあらずじの字幕。次々と宇宙に飛び出していく大艦隊。まさにスター・ウォーズの世界だ。」これだけはわかった。

音楽の感動というか、感じ方はとても個人的なもので、直接話しても説明しにくいものなのに、言葉、文字、表現、言い方、書き方すべての手段と手間を惜しまず、出し尽くして読む者に伝えている。伝わり方は読む者の音楽に対する熟練度しだいであると思うのだが。

主人公と追体験して、数回泣けました。 すばらしい一冊でした。

61O3yV2bFWL._SX340_BO1,204,203,200_.jpg



posted by だいちゃん at 03:39| 香川 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月30日

無事これ貴人  伊坂幸太郎

無事これ貴人 読みました。

伊坂幸太郎はゴールデンスランバーを以前読んだ。とてもおもしろかった。

この作は軽いタッチの連続するようで連続しない小話の連結。どの話もちょっとワクワクしてこれからどうなるのかな?と思わせるけど、続かない。

最後に、うまく一回転して元に戻る、ここらへんうまいなあと感心して、思わずもう一回り読んでしまう。まんまと術中にはまってしまう。

いい話でした。

225x225bb.jpg

posted by だいちゃん at 19:56| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月29日

桜七 小野寺秀樹

SFホラーファンタジーというジャンルらしい。Amazon Unlimited 読み放題サービスで読んだ。

2018年7月20日 午前9時48分、強大な破壊力を持った地震が関東周辺で同時多発し、東京湾に津波が襲来、富士山が大噴火、広範囲の地域が被災する。

ある使命を持ち、壊滅した東京から一人の女性を助け出す。実はタイムトラベラー戦士?みたいな設定で、強靱な肉体はターミネーターのようだ。シリーズ化されていて、最後には未来の救世主の母となる女性であるとわかるのかなと思った。

読んでてドキドキ、途中で止まれないサスペンス。おもしろかった。

51Jk3aUy+dL.jpg
posted by だいちゃん at 12:06| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月28日

[罪の声」 塩田武士 

昭和の未解決事件「グリコ森永事件」 キツネ目の男 「どくいり きけん たべたら しぬで」

グリコをギンガ、森永を萬堂製菓に変え、その他の事件の発生日時、脅迫状の文言などはすべて史実のまま、一応はフィクションだけど、作者が推理して辿り着いた犯人も示されている。

主人公は父の遺品の中に手帳とカセットテープを見つける。何気なくカセットを聞いてみると幼い頃の自分の声。動画サイトで確かめて驚く。グリコ森永事件の「子どもを使った脅迫テープ」が自分の声だった、、、、、。

長編だけど、一気に読めました。最後はけっこう泣けました。全世代必読。

tsuminokoe_cover_obi.jpg



posted by だいちゃん at 09:21| 香川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

美しい距離 山崎ナオコーラ

生命保険会社に勤める夫、小さなサンドイッチ屋を経営する妻。
妻は末期のがん患者。妻の母、父とともに最後を看取る。
「延命治療」はして欲しくないという妻。「延命治療」と「がんの治療をしない」の違い。


悲しい別れの後 「近くでも遠くでもない、美しい距離」に到達する。

誰もが必ず通る道。  いい話でした。

519IidJ+BuL._SX343_BO1,204,203,200_.jpg


posted by だいちゃん at 14:02| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月20日

マチネの終わりに 平野啓一郎

毎日忙しいし、早く寝んとあかんのに、後半一気に4:00AMまで、実質二日で読み終えた。

主人公が天才ギタリストと著名映画監督の娘で数カ国語を話すジャーナリストの帰国子女。ぼくなんかまったく共感を得られるはずのないキャラクター設計なんやけど、読み始めると終われない。

えーおっさんがいうのもなんやど、心が洗われるような芸術的小説。心にいつまでも残る。

CzriPCgVEAAwn5S.jpg



posted by だいちゃん at 11:22| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする