2017年03月28日

「地図にない谷」 藤本 泉

平家の落人集落に隠れ住む人が、明治になってから初めて外部と接触したとき、「源氏はもうほろびたか?」とたずねたという話があるとか。おおよそに考えても600年。それだけの長い間、ただひとつ事を次々に伝承して生きていた一族もあるのかと想像すると、げに恐ろしきは人の心の「恨み、憎しみ」だと思われる。

徳川の元禄大弾圧のあと、記録は徹底的に取り締まられ、除地(のけち)の記録はどこにも残っていない、という話。

「いわゆる学校などで教える歴史とわれわれが足で調べる地方史とは大変にちがうだでね。それはちがうなんてもんじゃない。日本には表向きの歴史と本物の歴史があるだでね。」(原文ママ)

警察も行政も入らない山奥の谷の集落にまつわる話。江戸時代にさかのぼり、謀反を起こした者一族が「谷の陰」に押し込められ住んでいる。「谷の表」には陰を支配する一族が暮らす。陰には突然死んでしまう「いきなり病」という風土病が蔓延している。

風土病とされたその病気は、実は恐ろしい一族を根絶やしにしようとする企みだった。。。。

かなり読み応えのある一冊。コワー(゜Д゜)

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posted by だいちゃん at 23:15| 香川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

豊島へ

定休日の今日、仕事もちょっとあって豊島へ行ってきました。

行ってみてわかったこと、豊島は火曜日は全島的に休みですね。

小学校の先生が移動になって生徒たちや家族、他の先生方が見送りしてました。

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2017年03月19日

「風 葬」 桜木紫乃  

冷戦当時、北海道の東の端、根室にはレポ船というのがあった。ソ連に日米の情報を流したり、品物を持っていったりしてその見返りにソ連の領海内で漁業操業を黙認してもらう。花咲ガニ、ホタテは船が沈むほど獲れたらしい。そのころのアンダーグラウンドな話。

母子で書道教室を経営している主人公は、少々呆けてきた母が夜中に呟く「ルイカミサキに行かないと」という言葉を聞いていた。ある日新聞の文芸欄で「涙香岬」と詠んだ元小学校校長の句が目にとまり、その岬を訪れる。

いじめにより自殺した児童の親が起こした裁判、三十年前よりふかかいないきさつで失踪したままの女性、レポ船で莫大な儲けをあげ、土地の闇の部分を牛耳る老婆、、、、。

あれは誰からの送金だったんだ? 誰が小屋に火をつけた? いろいろと話が終わらないうちに本が終わってしまってちょっと、もやもや。

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posted by だいちゃん at 13:03| 香川 | Comment(2) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ワイン会 「裏ラベルのお勉強」

自由に、自分と土地の表現としてのワインを造る生産者のワインラベルはアートであって、けして必要事項のみを書き込んだ「エチケット」ではない。

それゆえ、今注目したいのは、裏ラベル。造り手それぞれの個性がにじみ出る。

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posted by だいちゃん at 12:45| 香川 | Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月15日

永い言い訳  西川 美和

突然家族を失った人は、どのように人生を取り戻すのか。

人に言えない「後味が悪く、取り戻すことのできない別れ」 

あのとき一声かけていれば良かった、、、、
あんな事をなぜ言ってしまったのか、、、、

気持ちが入りすぎて 一気に読んでしまいました。
心が「どよーん」とします。

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posted by だいちゃん at 20:25| 香川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月13日

君の膵臓をたべたい 住野よる

インパクトのある題名で、倒錯した猟奇的、和製ハンニバルみたいなグロ小説を期待して(笑)読み始めました。

kindleだったので。実際の本ならその装丁、表紙からこれほどの思い違いはしなかったのだけど。

いわゆるライトノベル、青春もの。 主人公の名前が最後まで明かされない。引きこもりな主人公は自分の名を呼ばれた時に相手は自分の事をどう思ってるかを、常に想像する。それが【 】カギ括弧に囲まれて出てくる。最後に名前が明かされたときちょっと笑える。

天真爛漫で明るく活発な女の子は「重篤な膵臓病」でもうすぐ死ぬ。それを偶然知ってしまった、引きこもりで常にシニカルな態度で本を読むことに現実逃避をしてる男の子との淡い青春恋愛はなし。

迂闊にも最後で泣いてしまいました。実写映画化もされるとか。みにいこかな。

オススメします。

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posted by だいちゃん at 16:53| 香川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月09日

「チップス先生、さようなら」ジェイムズ・ヒルトン著 白石 朗訳

世界的名著「チップス先生、さようなら」を読みました。

イギリスの年老いた教師が、暖炉の前の椅子に座って、その長い教師生活を思い起こす話。

古き良き大英帝国の薫りがします。昨今のEU離脱してしまったイギリスとは違います。

時を経ても色褪せない、いわゆるエバーグリーンなお話。

とてもいい本で、私の中学時代、伝説的な歴史の先生であった後藤先生を思い起こしました。
後藤林造先生は「林ちゃん」と呼ばれ、世代を超えた生徒たちから慕われ、特に第二次世界大戦の状況を教える授業は伝説的でさえありました。私たちの世代が旧土庄中学校で「伝説の授業」を受けてから程なくして引退されました。

閑話休題 「チップス先生、さようなら」言うのは二人だけ。一人は二年だけ結婚生活を過ごしたキャサリン。そしてもう一人は、、、、誰なのか。  それは読んだ人だけのお楽しみ。

本当にいい本でした。 オススメします。

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2017年02月26日

「カブールの園」  宮内悠介 

今回の芥川候補作だったということで読んでみた。

今年の作であるので、日本語が全く理解できない日系三世の女性を主人公に据えて、アメリカにおける人種差別を描いているのであれば、現米大統領の事は少なからず思い寄ったのでは無いかと考えるけども。

真珠湾攻撃があって、大統領令にて日系人が収容所に隔離され(同じ枢軸国でありながらイタリア系、ドイツ系人は隔離されなかったのに)、戦後四十年以上を経て、レーガン大統領の時、生き残っている人たちだけを対象に補償が決まった。
その時のレーガン大統領の言葉 「これから私が署名する法案は、移動や拘留を強いられた十二万の日系人のうち、今生存してる六万人に賠償をするものである。だが、失われた年月に釣り合う金額など無い。重要なのは、この賠償が資産ではなく、名誉のためにこそあるということだ。いま、我々はあやまちを認める。法のもとの平等のために、いま、我々は国家として責任を認める。背後に多言語社会を持つにもかかわらず、いや、そうであるからこそ、我々は世界に於いて力を得たのだ。これがアメリカのありようだ。」 これが一番、心に響いた。

物語の主題は、同じ日本語という言語を世襲しない、日系一世、二世、三世の「伝承のない文芸」と、アスペルガー症候群のような主人公が幼少時のトラウマから脱却していく話、であるのだろうけども。

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2017年02月21日

Keeper 「マル・ピート 池 央耿=訳」

サッカー世界選手権、ドイツを破りワールドカップを制覇した南アメリカの国(たぶんブラジル)のゴールキーパーに有名な新聞記者がインタビューしている設定。キーパーはスペイン語で雄の猫「エル・ガトー」と呼ばれすでに神格化してる有名選手。

「手始めにざっと生い立ちを話してくれ」、、、けれどガトーはとても長く奇妙な話を始めた。運動音痴で一度はサッカーをあきらめた少年が、誰も行けないジャングルの奥にある「広場」で誰ともわからない「キーパー」に毎日みっちり訓練を受け、どんどんサッカーが上手になり、その結果がワールドカップ制覇だという、、、。

ガトーは摩訶不思議な練習を語る。本当に優秀なキーパーは相手選手が何処にペナルティーキックを蹴るか決められるんだ。

相手の動きを読んで蹴る前に跳んでも、読みが外れたり、またはミスキックでシュートコースが逆の場合、跳びながら空中で「戻る」、「コースを変える」!! 

試合の展開も丁寧に描かれていてサッカー好きな人にとっては、とてもおもしろいと思う。
最後の数ページは胸に押し寄せてくるものがある。

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2017年02月20日

「暗幕のゲルニカ」 原田マハ

ゲルニカという絵のコピーは数年前、鳴門の大塚美術館で観てました。

話はファシズムの軍靴の響きが次第に大きくなりつつある1930年代ヨーロッパと、同時多発テロの2001年現代アメリカが同時進行で進んでいきます。

絵画「ゲルニカ」が描かれた時の話、ピカソがそれに込めた思い、人びとに与えた影響、、、、、。

同時多発テロ直後、世界中の国々が国家主義、排他主義になってしまう世界において、、、、、。

これ以上書くとネタバレなのでやめときます。

図書館でフルカラー現代芸術の本の「ピカソ」を借りてきて見ながら読みました。

最後の、無理無理に書き込んだアクション系エピソードは脱線??余分だとぼくは思いましたけど、、、、どうでしょうか。

話の趣旨とか主題はとてもいい話で感動しました。

マドリッドのプラダ美術館には行けないし、NY国連安保理会議場にも行けませんが、鳴門の大塚美術館へまた行きたいと思いました。

芸術は武器より強し。

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posted by だいちゃん at 00:41| 香川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする