2019年06月05日

図書館の神様 瀬尾まいこ

図書館の神様 読みました。

重たい?話もサラッと書いて、特にストーリーに起伏はないけれど。

本屋大賞らしい。

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2019年05月22日

同日同刻 山田風太郎

事実の記録のみで綴られる戦争の開戦の日と終戦までの最後の15日間。著者の一切の感情は挟まずに、書かれている。

原爆に関する記述は読むだけでも惨たらしく苦しいが、読まなければならない。

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2019年05月21日

放哉と山頭火 死を生きる 渡辺利夫

大正から昭和にかけて、死に場所を探し続けるかのごとく流離い続けた二人を追う。

現世からの逃避、過去の執着からの解放。人として群衆の中で生きていけない二人の宿命。自らの仕業でより悲惨な状況にのめり込む。

鉄鉢の中にも霰 山頭火

咳をしても一人 放哉

乾いたボロぞうきんのような人生を搾るような単律句に何をみるか、私にはつらすぎる。

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2019年05月17日

銀の匙 中勘助

銀の匙 読了。

主人公(名前は最後まで伏せ字)がふと抽斗の中から銀の匙をみつけ、それがそこにある事由を思い出すと共に語られる叔母の慈愛に包まれてそだった幼少期の話。

もちろん大人になってから書かれたものであろうが、大人が思い出す子どもの頃ではなく、子どもの感じるそのままの心象が巧みな表現力で語られる。江戸から明治に移る頃、人びとの暮らしぶりや世の中の様子も美しい表現でいきいきと描写される。

夏目漱石に送って閲読を問うたところ激賞された。そういえば夏目の自伝的小説「こゝろ」にも通じる感性があると思う。

とりたてて大きな事件、事故も起こらない話だけれど、いつまでも心にのこるすばらしい小説。

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2019年05月12日

朝井リョウ「死にがいを 求めて 生きているの」

先週末の日経の書評欄に出てて、Kindle版で一気に読みました。

朝井リョウはまあまあ読んでいる。今どきの瑞々しい青春小説とおもったら大間違い。

読後ずっと残る心がヒリヒリするような焦燥感、隠してた痛いところをもろに突かれる怖さはクセになります。最後まで読んで、オチがわかってからもう一度読み返したくなる構成力はいつもながら凄い。今どき風の映画みたいな場面描写は最初戸惑うが、馴れるとストンと気持ちいい読み心地。

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2018年09月22日

ナオキショー

第159回直木賞 島本理生「ファーストラヴ」読みました。
かなりの長編なのか、抄録ですが。

心理サスペンス、ミステリー、かなり重たーい話です。

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2017年11月28日

紙の動物園 ケン・リュウ

休みの日、読みたかった本を窓際の陽だまりで読む。「太陽は最高の読書灯だ」という文庫本宣伝のキャッチコピーがあったけど、正にその通りと実感する。猫も足元で居眠りしてる。

中国系アメリカ人、ケン・リュウ氏のSF。
アジア的なSFで、近頃流行り?なディストピアが舞台設定のストーリー。

著者の来歴をみると、民族、国の色分けがしみじみわかる気がする。

「おとなしい仔猫がぼくの心の内側を舐めているみたいな感じ」がじわじわきて、どうしようもなく大声で叫び出したくなるような寂寥感。

又𠮷直樹さんが絶賛した本という事は知らなかった。

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2017年06月16日

「トワイライト・シャッフル」 乙川優三郎

どれをとっても珠玉としかいいようのない短編集。彼の文体、とても好きです。
片岡義男よりも片岡的な、千葉外房、御宿らしい海辺の町でおこる出来事を淡々と語る。

カルロス・ジョビンのボサノバか、南佳孝を聴きながら読みたいね。

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2017年06月13日

「海も暮れきる」 吉村 昭

個人的に「放哉ブーム」 日本放哉学会編集の放哉研究という学術誌を熟読し、その余波で確か親父の本棚にあったな、と思うこの本、実家でさがすとやはりあった。昭和55年の第二刷版。

放哉の、ぼくの心の痛いところを掴んで離さないのは、精神的にダメで浮き沈みが激しく、酒に汚く、自分を律せないところ。読むほどに痛い。自分のことのように。

書状で人に媚び、金や酒や莨をねだる。その書を出した、次の瞬間、悔やみ、相手を罵り、罵倒する書を書いて出す。精神分裂でしかない。

放哉の来た道を歩いてみる。南郷庵の裏山にあがり、艀が出たであろう仏崎を見渡してみる。溝に落ちた水路を道の下に探して見る。

詩人であり、世捨て人であり、病人であり、酒乱でもあり、実は気の弱い男でしかなかった放哉のほんの一部分だけど知れた気がする。

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2017年06月04日

「R.S.ヴィラセニョール」 乙川優三郎

「メスティソ」という言葉を初めて知った。混血児のこと。フィリピンの父と日本人の母を持つ主人公は少女時代からイジメを経験し、混血というだけで謂われのない先入観で判断され日本人になれない人生を歩んできた。一方父は日本に暮らしながら、フィリピン流の考え方、生き方を貫く。

主人公レイは混血二世でありながら、現代琳派に共鳴する色彩感覚を持ち、染色工房を房総半島に構える。作品よりも人を見て、「和の美がわかるはずがない」と門前払いされ続ける中、本物をわかる店と出会い、工芸展で奨励賞を受賞し、ようやく生活のメドがたっていく。

この本が海外移住者が日本の染め物に挑戦し、苦労していく話だけでも「充分おなかいっぱい」なんだけど、これだけでなく、国際的な話になっていく。もうひとつの主題も読み応えありすぎで、二冊に分けてもいい本だったと思える内容でした。ちょっとネタバレすみません。

本は出会いだとつくづく思う。最近ピアノコンテスト、ギターコンテストなどを主題とした小説を読んで、それぞれの楽曲をネットで聴きながら読んでた。それと第二次世界大戦前夜のポーランド、ワルシャワの話とか、場所は違えど同時期の二.二六事件の話、ピカソのゲルニカの話を読むときはネットで年表を見たり、改めて史実を学んだり、ゲルニカを見たりした。

で、今回は年表を繰ったり、琳派、鈴木其一「芒野図屏風」を見たり。すべて最近読んだ本に繋がってくるのが不思議。

あ、サスペンスではありませんので。

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2017年05月29日

「咸臨丸、サンフランシスコにて」 植松 三十里

勝海舟でも、ジョン万次郎でもない咸臨丸の話。 

天領だった塩飽から水夫が集められ、アメリカ、サンフランシスコへ、蒸気船で向かう。

往きの船内で熱病が流行り、完治するまで帰れない水夫たち。その中でチャイナタウンで粉を買い、米国製さぬきうどんをつくり仲間を励ますもの。

九死に一生を得て、なんとか函館の港の灯をみて、「帰ろう、塩飽に帰ろう、道々さぬきに寄ってうどんを食おう」というと「シスコで食ったあれ以上のうどんは無い」といって泣く男たち。その時港に見えた世界各国の国旗を掲げた帆船こそ、日本が世界の大きな流れに巻き込まれる不吉な前兆だった。遅すぎた文明開化、この後数十年、茨の道を進み、完膚無きまで叩きのめされる日本だが。

とてもいいはなしです。おすすめします。
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2017年05月27日

「猫と漱石と悪妻」 植松 三十里

夏目漱石を妻の目で語った小説。文豪を美化せず、心の病を持ったことなども詳細に記しているのはいいと思う。

「吾輩は猫である」「明暗」「坊ちゃん」など名作の書かれた時の背景など興味深いが、「こゝろ」に触れられてないのが個人的に物足りない。

創作とは思いながら途中何度も、泣けたのは筆者の筆力、いい本でした。

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2017年05月22日

「サンライズ・サンセット」 山本一力

「おれも次に買い替えるときはトヨタにするつもりだ。いい色だな」
「ありがとう」
1時間の駐車チケットを2枚買った。
「あと5ドル出してくれたら、ピカピカに洗車しとくけど、どうだい?」
「洗車はいいや。洗うのが楽しみだから。わるく思わないでね」
「わかってるさ」

何気ない映画のワンシーンのような、アメリカ、ニューヨークの街の匂い、息づかい。

心がほっとする短編6つ。こんないい感じが現実ならいいけどな。

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2017年05月19日

「雪つもりし朝」 二・二六の人々 植松 三十里

本は出会いだと思う。こないだ第二次世界対戦開戦前夜のポーランドの話を読んで、久しぶりに図書館へ行ってふと手に取ったのがこれ、頃は同じく開戦前の日本。

226事件を複数の要人の目線から描いた群像劇。それぞれは、時の首相、岡田啓介。後に終戦時に首相となる鈴木貫太郎。当時外交官で 講和条約調印の首相となる吉田茂、などなど。

吉田茂氏の章に現副首相麻生太郎氏の幼少期のグッとくるエピソードが添えられてるけど、これは盛りすぎオマケだと思う(笑)。

今の時代にこそ平和、自衛力、国防をも一度考えようと思う。

いい本です。激しくオススメします。

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2017年05月14日

「また、桜の国で」 須賀しのぶ   

ポーランドを舞台に第二次世界大戦、開戦前夜からその後まで。

あまり意識したことがなかったけれど、ポーランドは「平和の国」という国名とはうらはらに歴史上二回に渡り正式な地図上から消滅している。

ユダヤ人差別は白人社会の中に昔から実はあったこと。ナチドイツのように民族根絶を目指した事は無かったにしろ。

ドイツ、ソ連に蹂躙され続けても戦い続けたポーランド、ワルシャワで。

ドイツに生まれたユダヤ系のポーランド人とソ連により強制的に疎開されてシベリアで生まれ、今はアメリカ国籍をもつポーランド人、そしてソ連系スラブ系民族で日本国籍の外交官がワルシャワ蜂起で立ちあがる。

いつか日本で桜の花見をしようと、絶望的な戦局で誓い合う。、、、
その後は読んでのお楽しみ。

極東アジアがなんだか焦臭い、今こそ読むべき戦争小説。

戦争に追い詰められると人間はここまで残虐になれるのか?やってしまうのか?

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2017年04月30日

「絞首台の黙示録」 神林 長平

ジョン・レノンのGod(神)
ーーーーーーーーーーーー
God is a concept
神とは概念なんだ
By which we measure
Our pain  
それによって痛みというものを測るための
ーーーーーーーーーーーーー
とかなりセンセーショナルに喝破した。
日本のように宗教は趣味程度の国でなく、キリスト教の国で歌ったからすごい。

この物語の冒頭の死刑執行の実況がかなり怖い。

死刑囚と面会する教誨師とも対立関係のまま、死刑が執行される、、、
そして死んだはずの者が蘇って、、、おぼろげながら意識は死んだはずのもの。

現実、リアル、クローン、幻想、妄想、、、どれがどれなのか

人の意識はそれ自体が単体で存在してるのでは無く、「意識の所在としての物」である身体とその周りの「環境」に影響され、また反対に影響を与えて存在する。ゆえにその身体が滅んでも「意識」は存在している。

怖いです。

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2017年04月23日

「ルパンの消息」 横山秀夫

時効寸前の自殺と見せかけた殺人事件 重大なタレコミがあった 時効成立のその日に急遽捜査のやり直し。
そして急転直下、、、、そして犯人は例の「三億円事件の犯人」でもあった。

昭和の頃の世相が懐かしく、おもしろかった。

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2017年04月18日

「真相」 横山秀夫

短編集です。それぞれ全く関連のない話です。

短編ならではのスピード感ある展開なのに、読後感は「おなかいっぱい」。

横山流ひねりが効きすぎていて、最後まで読むと、読んでいるときの予想を遙か彼方まで飛び越えていて、おもしろすぎる。

もし言えるなら、ちょっと話に「救い」を入れても佳かったのではないかと思ったりしますが、そんなことも、もちろん熟考の上での作風だと思います。本当に構成力、物語力、文章の上手さは超一流です。

犯罪を隠そうとする時の、周りに対する疑心暗鬼の心の描写がすごい、「18番ホール」、おすすめです。

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2017年04月15日

「笑いのカイブツ」  ツチヤタカユキ

ネットに連載されて、大反響を呼び、書籍化したいという出版社が押し寄せ、なんだかんんだあってとうとう書籍化された本。ピース又𠮷の火花の10倍痛くて、20倍つらくて、50倍突き刺さりました。けど文学賞については最低の罵詈雑言を浴びせているので無視されると思う。すごかった。

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2017年04月09日

「神様の裏の顔」  藤崎 翔

神様のような善人が実は大悪党だった、とか「実は、、」というのは歌舞伎の世界でもよくあって、「義経千本桜」で「佐藤忠信 実は 源九郎狐」とか、「助六由縁江戸桜」でも「助六 実は 曽我五郎時致」とか。別にこの本と歌舞伎とは関係ありませんが、あさってこんぴら歌舞伎へ行くのが、あまりにうれしくてつい(笑)。

本編は一人称の語り手が次々にバトンタッチしていく形。それぞれ個人で考えてることを、心の中で語っていく。それがどうなるのかはネタバレなので。

神様のように思えた人が、実は、、、どころか、その実は、、、
後は読んでのお楽しみ。

横溝正史賞の本格ミステリー。個人的に読後感は「うーーん」( ゚ω゚)…

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