2017年06月13日

「海も暮れきる」 吉村 昭

個人的に「放哉ブーム」 日本放哉学会編集の放哉研究という学術誌を熟読し、その余波で確か親父の本棚にあったな、と思うこの本、実家でさがすとやはりあった。昭和55年の第二刷版。

放哉の、ぼくの心の痛いところを掴んで離さないのは、精神的にダメで浮き沈みが激しく、酒に汚く、自分を律せないところ。読むほどに痛い。自分のことのように。

書状で人に媚び、金や酒や莨をねだる。その書を出した、次の瞬間、悔やみ、相手を罵り、罵倒する書を書いて出す。精神分裂でしかない。

放哉の来た道を歩いてみる。南郷庵の裏山にあがり、艀が出たであろう仏崎を見渡してみる。溝に落ちた水路を道の下に探して見る。

詩人であり、世捨て人であり、病人であり、酒乱でもあり、実は気の弱い男でしかなかった放哉のほんの一部分だけど知れた気がする。

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posted by だいちゃん at 18:02| 香川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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