2017年02月06日

「蜜蜂と遠雷」 恩田陸

読みました。本作が直木賞だとは知らずに、なんとなくKindleにオススメされて。

架空の国際ピアノコンクール。世界の若手ピアニストの登竜門とも言える大会に出てくるのは、全世界から神童、天才、そして想像を遥かに超えた音楽の神様からの「ギフト」。

審査員の世界の音楽界の大御所女史、優勝候補ナンバーワンの日系美形男子ピアニスト、幼くしてデビューしたものの母親の死で演奏活動から遠のいてた日本人少女ピアニスト、普通の人が「海抜ゼロ」から上をめざす会社員ピアニスト、全くだれも素性を知らない天然素材ピアノ坊や、などの多人称で語られる話。

話のおもしろさ、感動を別としても、驚くのが今時の音楽事情についての取材のすごさ。ひととおり読んだだけなのに、上っ面だけなら今の音楽事情を語れる気がする。

作品中に出てくる楽曲名はもちろん実在。Spotifyでいちいち検索して聴きながら読んだ。恩田さんはこの本を書くにあたってかなり聴きこみ勉強なさったと思う。ぼくはこれまでロックしか聴いて無くて、書いてることがあまりわからんかったけど、ただひとつ日系美形天才ピアニスト、マサルが本選で弾くプロコフィエフ3番が「銀河の彼方に消えていくあらずじの字幕。次々と宇宙に飛び出していく大艦隊。まさにスター・ウォーズの世界だ。」これだけはわかった。

音楽の感動というか、感じ方はとても個人的なもので、直接話しても説明しにくいものなのに、言葉、文字、表現、言い方、書き方すべての手段と手間を惜しまず、出し尽くして読む者に伝えている。伝わり方は読む者の音楽に対する熟練度しだいであると思うのだが。

主人公と追体験して、数回泣けました。 すばらしい一冊でした。

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posted by だいちゃん at 03:39| 香川 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日、テレビ番組で都響芸術大学の音楽学部の活動ぶりが紹介されてました。

音楽音痴の私など、まさに口あんぐり〜の状態で、
活躍されてる卒業生の偉才ぶりに感嘆していました。

今回、紹介された作品の世界も、おそらく同じ
読後感では〜と想像している次第です。

ご紹介された作品で、私も異次元の世界をこわごわ覗いてみたいとおもつています。感謝。

Posted by ご隠居マーケター・ゲンちゃん at 2017年02月08日 10:14
ゲンちゃん、コメントありがとうございます。
平野啓一郎「マチネ」で久々の読書熱が起き、kindleの読みやすさもあって乱読しています。
本作はたぶん続編が出されて、数名ピアニストの成長と絡み、それと今回はさらっとしか描かれてない蜜蜂のこともあり、長編大作になるのではと思っています。
Posted by だいちゃん at 2017年02月08日 12:15
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