2017年07月13日

早朝勉強会

毎回出席とは言えないが、週一の早朝勉強会に出ています。

先週の講話は小豆島の大先輩、片山鹿之助様でした。

いつものように氏の長い経営者生活に裏打ちされた講話でとても勉強になりました。
特に今回は、話のつかみというか、取っかかりとして今の日本の景気状況をについて、テレビなどマスコミでもよく言われている、労働力需給がが逼迫しているのに、労働者の給与水準が上がっていない事について、実例を含めお話しお示しいただきました。それが経済に疎いぼくにはなかなか腹に落ちず、しばらく考えていました。

曰く、経営者が労働者を大切にする時代が終わったからだと、多めに100人しか要らないところに150人雇って、企業にとって使える人材を見極めて、要らない者はすぐ50人のクビを切るつもりだから給料が上がらないということをおっしゃられました。

何気なくそれを覚えていて翌週、昨日の早朝勉強会の帰りの車でNHKラジオを聴いていて、その問題を経済ジャーナリストの森永卓郎氏が解説してて、まさに片山氏が言われたとおりのことを言ってました。

それは経済学の基本理念が変わって来たことの表れである、と。これまでは企業が生産するモノの付加価値は労働者が額に汗することから生まれるとされてきた、と。←これはマルクス経済学。  が、しかしマルクス経済学のソ連や、やや緩やかなその経済学に軌道を乗せてきたヨーロッパの経済が必ずしもうまく行かなかった事から、現在では「ネオクラシック」、新古典派経済学が常識になっているのだという。それによると、付加価値は資本家が生産市場から原料や設備を買い入れ、労働市場から労働力を買い入れてそれを組み合わせた瞬間に付加価値が生まれるのだとする。あたらしい経済学での常識は、原材料と設備投資と労働力はどれも同じ横並びであり、つまり働く人は「何より大切な存在」から、「企業が利益を生むための道具」に過ぎないということに、経済学の基本理念がかわってしまったのであると。

平たく言えば、まったく片山様の言ったとおりです。

示唆深すぎるご講話、鈍い私は一週間かかってようやく理解できました。ありがとうございました。

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2017年06月16日

「トワイライト・シャッフル」 乙川優三郎

どれをとっても珠玉としかいいようのない短編集。彼の文体、とても好きです。
片岡義男よりも片岡的な、千葉外房、御宿らしい海辺の町でおこる出来事を淡々と語る。

カルロス・ジョビンのボサノバか、南佳孝を聴きながら読みたいね。

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2017年06月13日

「海も暮れきる」 吉村 昭

個人的に「放哉ブーム」 日本放哉学会編集の放哉研究という学術誌を熟読し、その余波で確か親父の本棚にあったな、と思うこの本、実家でさがすとやはりあった。昭和55年の第二刷版。

放哉の、ぼくの心の痛いところを掴んで離さないのは、精神的にダメで浮き沈みが激しく、酒に汚く、自分を律せないところ。読むほどに痛い。自分のことのように。

書状で人に媚び、金や酒や莨をねだる。その書を出した、次の瞬間、悔やみ、相手を罵り、罵倒する書を書いて出す。精神分裂でしかない。

放哉の来た道を歩いてみる。南郷庵の裏山にあがり、艀が出たであろう仏崎を見渡してみる。溝に落ちた水路を道の下に探して見る。

詩人であり、世捨て人であり、病人であり、酒乱でもあり、実は気の弱い男でしかなかった放哉のほんの一部分だけど知れた気がする。

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2017年06月04日

「R.S.ヴィラセニョール」 乙川優三郎

「メスティソ」という言葉を初めて知った。混血児のこと。フィリピンの父と日本人の母を持つ主人公は少女時代からイジメを経験し、混血というだけで謂われのない先入観で判断され日本人になれない人生を歩んできた。一方父は日本に暮らしながら、フィリピン流の考え方、生き方を貫く。

主人公レイは混血二世でありながら、現代琳派に共鳴する色彩感覚を持ち、染色工房を房総半島に構える。作品よりも人を見て、「和の美がわかるはずがない」と門前払いされ続ける中、本物をわかる店と出会い、工芸展で奨励賞を受賞し、ようやく生活のメドがたっていく。

この本が海外移住者が日本の染め物に挑戦し、苦労していく話だけでも「充分おなかいっぱい」なんだけど、これだけでなく、国際的な話になっていく。もうひとつの主題も読み応えありすぎで、二冊に分けてもいい本だったと思える内容でした。ちょっとネタバレすみません。

本は出会いだとつくづく思う。最近ピアノコンテスト、ギターコンテストなどを主題とした小説を読んで、それぞれの楽曲をネットで聴きながら読んでた。それと第二次世界大戦前夜のポーランド、ワルシャワの話とか、場所は違えど同時期の二.二六事件の話、ピカソのゲルニカの話を読むときはネットで年表を見たり、改めて史実を学んだり、ゲルニカを見たりした。

で、今回は年表を繰ったり、琳派、鈴木其一「芒野図屏風」を見たり。すべて最近読んだ本に繋がってくるのが不思議。

あ、サスペンスではありませんので。

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2017年05月29日

「咸臨丸、サンフランシスコにて」 植松 三十里

勝海舟でも、ジョン万次郎でもない咸臨丸の話。 

天領だった塩飽から水夫が集められ、アメリカ、サンフランシスコへ、蒸気船で向かう。

往きの船内で熱病が流行り、完治するまで帰れない水夫たち。その中でチャイナタウンで粉を買い、米国製さぬきうどんをつくり仲間を励ますもの。

九死に一生を得て、なんとか函館の港の灯をみて、「帰ろう、塩飽に帰ろう、道々さぬきに寄ってうどんを食おう」というと「シスコで食ったあれ以上のうどんは無い」といって泣く男たち。その時港に見えた世界各国の国旗を掲げた帆船こそ、日本が世界の大きな流れに巻き込まれる不吉な前兆だった。遅すぎた文明開化、この後数十年、茨の道を進み、完膚無きまで叩きのめされる日本だが。

とてもいいはなしです。おすすめします。
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2017年05月27日

「猫と漱石と悪妻」 植松 三十里

夏目漱石を妻の目で語った小説。文豪を美化せず、心の病を持ったことなども詳細に記しているのはいいと思う。

「吾輩は猫である」「明暗」「坊ちゃん」など名作の書かれた時の背景など興味深いが、「こゝろ」に触れられてないのが個人的に物足りない。

創作とは思いながら途中何度も、泣けたのは筆者の筆力、いい本でした。

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2017年05月22日

「サンライズ・サンセット」 山本一力

「おれも次に買い替えるときはトヨタにするつもりだ。いい色だな」
「ありがとう」
1時間の駐車チケットを2枚買った。
「あと5ドル出してくれたら、ピカピカに洗車しとくけど、どうだい?」
「洗車はいいや。洗うのが楽しみだから。わるく思わないでね」
「わかってるさ」

何気ない映画のワンシーンのような、アメリカ、ニューヨークの街の匂い、息づかい。

心がほっとする短編6つ。こんないい感じが現実ならいいけどな。

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2017年05月19日

「雪つもりし朝」 二・二六の人々 植松 三十里

本は出会いだと思う。こないだ第二次世界対戦開戦前夜のポーランドの話を読んで、久しぶりに図書館へ行ってふと手に取ったのがこれ、頃は同じく開戦前の日本。

226事件を複数の要人の目線から描いた群像劇。それぞれは、時の首相、岡田啓介。後に終戦時に首相となる鈴木貫太郎。当時外交官で 講和条約調印の首相となる吉田茂、などなど。

吉田茂氏の章に現副首相麻生太郎氏の幼少期のグッとくるエピソードが添えられてるけど、これは盛りすぎオマケだと思う(笑)。

今の時代にこそ平和、自衛力、国防をも一度考えようと思う。

いい本です。激しくオススメします。

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2017年05月14日

「また、桜の国で」 須賀しのぶ   

ポーランドを舞台に第二次世界大戦、開戦前夜からその後まで。

あまり意識したことがなかったけれど、ポーランドは「平和の国」という国名とはうらはらに歴史上二回に渡り正式な地図上から消滅している。

ユダヤ人差別は白人社会の中に昔から実はあったこと。ナチドイツのように民族根絶を目指した事は無かったにしろ。

ドイツ、ソ連に蹂躙され続けても戦い続けたポーランド、ワルシャワで。

ドイツに生まれたユダヤ系のポーランド人とソ連により強制的に疎開されてシベリアで生まれ、今はアメリカ国籍をもつポーランド人、そしてソ連系スラブ系民族で日本国籍の外交官がワルシャワ蜂起で立ちあがる。

いつか日本で桜の花見をしようと、絶望的な戦局で誓い合う。、、、
その後は読んでのお楽しみ。

極東アジアがなんだか焦臭い、今こそ読むべき戦争小説。

戦争に追い詰められると人間はここまで残虐になれるのか?やってしまうのか?

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2017年04月30日

「絞首台の黙示録」 神林 長平

ジョン・レノンのGod(神)
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God is a concept
神とは概念なんだ
By which we measure
Our pain  
それによって痛みというものを測るための
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とかなりセンセーショナルに喝破した。
日本のように宗教は趣味程度の国でなく、キリスト教の国で歌ったからすごい。

この物語の冒頭の死刑執行の実況がかなり怖い。

死刑囚と面会する教誨師とも対立関係のまま、死刑が執行される、、、
そして死んだはずの者が蘇って、、、おぼろげながら意識は死んだはずのもの。

現実、リアル、クローン、幻想、妄想、、、どれがどれなのか

人の意識はそれ自体が単体で存在してるのでは無く、「意識の所在としての物」である身体とその周りの「環境」に影響され、また反対に影響を与えて存在する。ゆえにその身体が滅んでも「意識」は存在している。

怖いです。

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